ガスなめとガスガウジング


ガスガウジングとは

エアカーボンアークガウジング法やプラズマアークガウジング法と揃って溶接部の脚長修正(溶け込み不良部分)や裏ハツリ時に利用される言葉です

”ガスなめ”ですが・・・

日本の建設業界の中では鉄鋼部材を切断、溶接、溶断作業を行う鍛冶職人と呼ばれる方達が居りますがその方達の中ではガス切断と伴ってガス溶断を同時に行うことを”ガスなめ”という言い方をする方達がいます

”ガスなめ”とは建築物が鉄骨構造である場合、ガセットプレート等がH鋼などの母材に溶接されている時の溶接ビートを溶かし元のフラットな状態に戻す時に用いられる言葉であったり、仮設桟橋等のくい打ち作業等に利用したH鋼に付属溶接したL型鋼などの調整ピース等を、溶断する際にも使われたりする言葉であります。

金属母材をアセチレンやプロパンなどのガス高熱と高圧酸素を利用し吹管を用いて金属表面部を滑らかに仕上げることを言います。

広辞苑で検索しても存在しない言葉であり、一般共通用語としてもあまり知られていない言葉です

建設業界の施工管理上に擱いても共通用語として使われていません。

鳶鍛冶職人の技術を知る人達のみでの職業用語であります。 つまり地方(職人間)のなまりに似ているともいうか職人同士の共通用語といってもよいと思います。

インターネットや広辞苑を検索しても見当たりませんでしたので私が動画を添えてここに記述しました。

約3分の動画ですが2分を経過した時点の進歩状況を先行視してください。短時間で略、溶かし終えています

上記動画はガセットピースを切断した後に残る溶接肉盛り部を、母材には一切傷を付けずに溶断(ガスなめ)して平坦に仕上げる作業を撮影しました。

5分程度で基の平らな素材状態に仕上げています。

ガウジング用火口を用いて溝堀りを行う作業ではありませんのでガスガウジングとは称しません。

ここではアセチレンと酸素を用いて切断機A-3の火口を使用してのガスなめです

高価なガウジング用火口を利用しての作業も試しましたが、大判面ではなかったのでピース切断後、更に継続して溶断(溶かし)を行いながらグラインダ仕上げ作業の時間短縮を図るという目的では一般の切断A火口の方がコスト削減に繋がりました。

どちらかというと高価なガウジング用火口の方が失敗量を防げることは言うまでもありません

後者の方が母材に傷がつきやすく難易度が高いながらも一般切断A火口を用いてこの作業が行えるという点で紹介させて頂いています

両者とも溶接ビート部を2~3mm程の厚さを残して終了します

 

”ガスなめ”が上手に出来る職人がその作業に従事”する”と”しない”とでは、グラインダーでの研磨作業に時間を要する分、技術差でコスト幅に大きな違いが出てきます。

母材に与える熱影響を考慮する必要がなければ多いに活用効果はあります。