-
ガスなめ とは
-
ガウジング とは
-
ガス切断機A-3火口を利用したガスガウジングとは
”ガスなめ”とは・・・
日本の建設業界の中では鉄鋼部材を切断、溶接、溶断作業を行う鍛冶職人と呼ばれる方達が居ります。
その方達の中ではガス切断と伴ってガス溶断を同時に行うことを”ガスなめ”という言い方をする方達がいます
職人用語においてガスガウジングは、この”ガスなめ”と同じです
”ガスなめ”とは広辞苑で検索しても存在しない言葉であり、一般共通用語としてもあまり知られていない言葉です
建設業界の施工管理上に擱いても共通用語として使われていません。
鍛冶職人の技術を知る人達のみでの職業用語であります。 つまり地方(職人間)のなまりに似ているともいうか職人同士の共通用語と言ってよいと思います。
建築物が鉄骨構造である場合、H鋼などの母材にガセットプレート等が溶接されている時があります。切断後に溶接ビートを既存のフラットな状態に戻す時に用いられる言葉であったり、仮設桟橋等のくい打ち作業等に利用したH鋼に付属溶接したL型鋼や吊ピース等を、切断後に残存された溶接ビート部をなめらかにする一時的な処理を確認しあう言葉であったりします。
他にも50ミリ以上もある重厚な金属部の亀裂を掘り下げていく場合に使われる用語に該当します。
”ガウジング”とは
ガウジングとは、一般にガウジング機を利用して熱源と空気噴流を用いて金属に溝を掘る作業を言います。例えば、大手自動車会社の自動車の型を作るプレス圧縮機械において、多大な圧力により機械側が亀裂を生じる場合があります。この亀裂が金属内に30ミリ以上にも及ぶ可能性がある時、その機械は廃棄処分となります。高額であるため廃棄処分にならないように修繕を施します。この時、ガウジング機とガス切断機に専用火口を付けた道具を用いて亀裂深さの確認作業を行います
大凡の亀裂端部に達するまではガウジング機で粗く掘り下げます。
その後にガス切断機にガウジング専用火口を付けて溝堀りをします。そのメリットは傷の細部が適正に見極められることにあります。作業の中止判断が容易になるのです。傷の切れ目は黒い糸のように見えます。この作業を”ガスなめ”ということもあります
インターネットや広辞苑を検索しても”ガスなめ”という言葉が見当たりませんでしたので私が動画を添えてここに記述しました。
”ガス切断機A-3火口を利用したガスガウジングとは”
さて、この動画では一般的なガス切断機のA-3火口を使って金属を切断後にガスガウジング専用火口を付けず、ガスなめを行っています。
約3分の動画ですが2分を経過した時点の進捗状況を先行視してください。短時間で略、溶かし終えています
上記動画はガセットピースを切断した後の”ガスなめ”作業です
ガス切断機A-3火口にて切断後、残された溶接肉盛り部の微量厚を削ぎ取り、平坦滑らかにする一連作業を撮影しました。
高価なガスガウジング専用火口とガス切断機A-3火口を揃えて作業を行うこともありましたが、ピース切断後に一旦作業を止めなければならなくなるいという点でガス切断機A-3火口をそのまま利用した方が切断機を交換することなく作業が捗ります
どちらかというと高価なガスガウジング専用火口を利用した方が失敗量を防げるという点では軍配が上がります
しかし、難易度が高いながらもこのガス切断機A-3火口をそのまま利用して作業が行えるという技術力を紹介させて頂いています
動画の後半は溶接ビート部厚さを2~3mm程度残して終了していますが、後にグラインダー仕上げ作業へと移ります
この現場は橋梁桁の下部に付属された移動ゴンドラ上の作業であり、海上でもあった為、ガウジング機を準備することが出来ませんでした。
ガス切断機で行う ” ガスなめ ” が上手に出来る職人がその作業に従事”する”と”しない”とでは、グラインダーでの研磨作業の時間が変わってきます。つまり、技術差でコスト幅に大きな違いが出てきてしまいます。
ガス切断機A-3火口を用いた”ガスなめ”作業の紹介をさせて頂きました。
